ネットワーク効果(ネットワーク外部性)とは、顧客が増えれば増えるほど、ネットワークの価値が高まり、顧客や潜在顧客にとっての便益が大きくなることを言います。
電話やメール、はてはSNS等、主に通信ネットワークが代表例です。
例えば電話は、顧客が一人では誰とも話せないので価値がありません。しかし、顧客が増えれば会話できる人も増えるので、顧客にとっての価値がどんどん上がっていきます。
また、潜在顧客にとっては、顧客が増えて話せる人が増えるほど、新たに顧客になるメリットが増えます。
ユーザー数が一定以上になると、「みんなが使ってるから使う」ものになるので、品質よりもユーザー数自体の方が重要になってきます。なので、一旦優位を築いたらそのまま覇権を取ることが多いです。
webサービスやアプリに当てはめると?
ネットワーク効果が顕著なのはTwitterやfacebook、LINE等のSNSです。
Twitterやfacebookは海外発なので、海外ユーザーが多い状態で日本に来たためにあまり実感がわきませんが、LINEは一定年齢以上の方なら覇権を取る過程を体感した方が多いと思います。
同時期に色々なチャットアプリが乱立しましたが、スタンプ等使い勝手が良かったLINEが一歩リードし、気付いたらいつのまにか国内で覇権を取っていました。連絡先から電話番号で相手を探せるのも寄与したかもしれません。私の場合は大学のゼミだかサークルだかその辺で必要性に駆られて使い始めた覚えがあります。
なんか当初は「韓国に情報を抜かれる!」とか言って頑なに使わない人とかいましたが、結局は普及しすぎて使わざるを得なくなった気がします。
使う人が増える→周囲が使っているので使わざるを得ない状況になる→使う人が増える……のループがネットワーク効果ですね。
世界的にはWhatsAppやFacebookMessengerが二強で、他は中国のWeChat、日本や台湾やタイでのLINE、韓国のカカオトーク等があるようです。
日本に住んでてLINEしか使ってないと、この結果は少し驚きますよね。おそらくは言語障壁等もあるでしょうが、やはり後発になりがちな海外進出は難しいようです。
後から単純に似たようなサービスを展開しても、ネットワーク効果によって覇権を覆すのは難しくなるため、よほどの差別化がないと厳しいでしょう。
しかし、一方でSNS疲れの存在や、mixiのように消えていったサービスもあります。
mixiについては、おそらくスマホ化の流れに乗れたかどうかが一つの分かれ目だったとは思います。
サービスの成功のためには、時代の波に乗れるかどうかが鍵となりそうです。
コメント